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グレシャムのダイナミック・コモディティ戦略

Greshamダイナミック商品 (「GDC」) は、アクティブ運用型のロングバイアス商品戦略です。投資元本の保全を重視しながら、パッシブまたは制約型ベータプラスを繰り返すブルームバーグ商品指数トータルリターン (「BCOMTR」) で得られるよりも高いリスク調整後収益を追求します。

GDC投資哲学の3つの基本的信念

GDC投資哲学の基本的信念のひとつは、商品ベータに対するエクスポージャーのタイミングとサイズが非常に重要であり、ダイナミックに運用しなければならないということです。その理由は2つあります。

第一に、商品先物の価格は、その基礎となる物理的商品の生産、消費、運搬、貯蔵などの内生変数につきものの不透明な期間があるため、本質的に不安定になります。市場の混乱中にはしばしば、セクターからセクターへのボラティリティのスピルオーバーが潜在しています。例えば、エネルギー危機の間には、工業金属の供給がエネルギー価格の上昇によって制約されたり、電気へのアクセスが低下して生産の限界費用が上昇したりすることがあります。

したがって、このような変数の変化率に応じて、独立的にも相互的にも、価格は経時的にボラティリティレベルの多様な変動を示す可能性があります。とりわけ、商品市場が強気市場の間は、供給と需要のバランスがくずれて在庫が減少し、供給の予備分が失われると品物不足に対する恐れが高まるため、このボラティリティレベルが価格に合わせて上昇する傾向があります。このような時期には、商品先物へのエクスポージャーをダイナミックに運用することが有利になるはずです。

第二に、商品先物の価格は外因性のダイナミクスの影響も受けるため、商品ベータにはダイナミックな運用が必要となることです。例えば、原油、銅、小麦、砂糖のように多様な市場はすべて、金利、通貨価値、地政学的イベントの変化により影響を受ける場合があります。 極端な場合、商品市場は、すべてのリスク資産の相関性が高まって基礎の資産配分モデルが無効になると想定された時点で、金融パニックによる悪影響を受ける可能性があります。このようなイベントの実例として、2008年~2009年の世界的金融危機や2020年のパンデミックショックがあります。この場合も、資産クラスに影響を及ぼす内生要因に対して商品エクスポージャーをダイナミックに運用することで投資家にメリットがもたらされるはずです。

GDC投資哲学の2番目の基本的信念は、投資期間の元本成長率は、投資家と運用マネージャーの願望と合致するということです。他の資産クラスとは異なり、商品先物による収益は、ほぼすべてがキャピタルゲインとキャピタルロスから発生します。株や確定インカムで一般的であるような資本移動や収入の組み合わせではありません。

強気市場の間に、最良のリスク・リターンプロファイルが得られる市場を利用してポートフォリオを構成することで、BCOMTRを上回る収益を実現することが戦略の主な目的です。適切だと判断した場合、GDCはレバレッジを活用します。

商品収益に特有の性質として、元本成長を狙う場合には運用担当者は大幅なドローダウンの可能性または弱気市場が長引く進展状況に警戒する必要があります。下降中は、投資元本の大幅なドローダウンにつながり得る市場へのエクスポージャーを最小限に抑えることが第一の課題となります。合理的なリスク・リターン機会が見出せない場合や、資産クラスの価格変動リスクが高い場合などの極端な状況下では、この戦略で市場へのエクスポージャーを完全に回避する場合があります。このために、GDCは最高100%までポートフォリオを現金で所有する柔軟性を維持しています。ファンドはショートポジションを展開することもありますが、ネットショートになることは決してありません。

GDCは絶対的収益の戦略ではなく、商品市場の圧迫期間に投資元本の保全のメリットを重視するロングバイアス戦略であることを投資家の皆様に理解していただくことが重要です。GDCの不可欠な要素は元金の保全を図ることであるため、トラッキングエラーは投資の枠組みに含まれていません。

GDCの3番目の基本的信念は、最適な投資アプローチは、あらゆる種類の市場状況でまったく同じではあり得ないということです。つまり、ポートフォリオのポジションは、

(i) マクロ経済 (「外因性」)
(ii) 商品のファンダメンタル (「内因性」)
(iii) テクニカル
(iv) 投資家感情という4種類の分析を再現性のある一貫した方法で組み合わせて決定されます。

様々な市場原理の重要性が経時的に移行に合わせて、運用担当者が1種類の分析のみを重視する場合や、特定の分析の組み合わせ、または全種類の分析を重視する場合があります。例えば、マクロ経済分析を使用して商品市場で収益性に優れた長期的なフレームワークを構築することが可能ですが、このような分析は、突然の供給問題または大型ハリケーンシーズンによって発生の可能性がある極端なボラティリティ期間には有用でありません。同様に、長期間の価格推移 (上昇または下降) の後、または重大な地政学的イベント (ロシアによるウクライナ侵攻など) の間、テクニカル分析や投資家感情は、マクロ経済または商品のファンダメンタルのいずれよりもはるかに実際的な重要性を持つようになります。このため、私たちの投資哲学は自由裁量的なルールに基づくものであり、投資プロセスはホリスティックな市場分析の有効性に対する信念を基軸としています。